健康食品の飲み方や保管方法、注意点など、利用する前に知っておきたいことをまとめました。
飲む時間やタイミングは何時がベスト?

食前や食後など、決められた時間に飲むこととされている医薬品と違い、健康食品はいつ飲んだら良いのか、時間的なタイミングについての表示が無いものがあります。
変化を実感するためには習慣づけが必要です。飲み忘れを防ぐために、「食後に飲む」などあらかじめ決めておく事をお勧めしています。まずは無理なく続けやすい時間帯やタイミングを探してみてください。
その他、食事で取り切れない栄養を補ったり、脂肪吸収を抑えるような目的で健康食品を利用する場合は、食事時間帯に合わせて飲むことが望ましいです。
錠剤やカプセルを飲む時の水分は何が良い?

錠剤やカプセルタイプのものは水分無しでは飲みにくいため、水で一緒に飲むようにしてください。
具体的には、コップ1杯程度の水を常温で一緒に飲むのが一番良いとされています。常温にする事で胃腸の働きが活発になるので、冷たすぎるものや熱々のものは少し時間を置いてからお召し上がりください。
緑茶などに含まれるカテキンやカフェインの多いコーヒーなどと一緒に飲むことはお勧めできません。理由はカテキンやカフェインに含まれる成分が栄養素の吸収を邪魔してしまう可能性があるからです。水を準備する事が難しい場合は、ノンカフェインのお茶を選ぶなどしましょう。
保管する場所と気を付ける事は?

健康食品は食品の一種です。口から体内に取り入れるものなので、劣化しないように保管方法にも気を配りたいものです。
まず、直射日光や急激な温度変化がある場所は避けましょう。水を良く使う場所なども空気中の湿度が変化しやすい場所なので適していません。
温度や湿度の変化によって品質や形が変わってしまう事もあるため、これらの影響を受けにくい涼しい場所で、容器をしっかり密閉して保管するようにしてください。
飲み忘れを防ぐために手の届きやすい場所に置いておくというのもポイントです。ただし、乳幼児のいるご家庭では誤飲事故等を防ぐため、手の届く場所での保管はおやめください。
何時迄に飲み切れば良いの?消費期限は?

健康食品は長期保存の出来るタイプが多くあります。しかし何年経っても飲んでも良いというものではありません。
健康食品の多くはおよそ2年間を目安に消費期限を表示しています。外装などに消費期限が表示されているものについては、その表示に従ってください。ただし、期限内であっても急激な温度変化に晒されたり、品質の劣化が疑われるものについては直ちにその使用を中断してください。
飲み合わせに注意が必要な場合

健康食品には医薬品との飲み合わせや、健康食品を複数飲む場合に注意が必要なものがあります。
知らずに悪い飲み合わせで摂取した場合、特定の成分が症状を悪化させたり、似た成分のものを併用することで濃度が濃くなり過ぎ、体調に影響を与えるという事が起こります。
食品だからと安易に併用せず、医師の診断にかかっている場合は、飲み合わせについて充分に相談しておく事が大切です。
飲み合わせが悪い組み合わせの例(一例です)
・イソフラボン × 他のエストロゲン用作用のあるサプリ
・イソフラボン × タモキシフェン(抗がん剤の一種)
イソフラボンは女性ホルモンの一種であるエストロゲンに似た作用を持っていて、似た作用のあるサプリとの併用は作用を増強し過ぎる可能性があります。
・コエンザイムQ10 × スタチン系の薬(肝臓でのコレステロール生合成を低下させる薬)
・コエンザイムQ10 × ワーファリン(血栓が出来るのを防ぐ薬)
コエンザイムQ10がワーファリンの作用を弱める可能性があるとされています。
・ワーファリン × クロレラ
・ワーファリン × ビタミンK
・ワーファリン × ビタミンE
クロレラ、ビタミンK、ビタミンE に含まれる抗血液凝固剤薬との相互作用があります。
・インスリン × クロムが入っているサプリメント
インスリンの働きを強め、血糖値が下がり過ぎてしまう事があります。
・ビタミンA × ビタミンD
どちらか一方を過剰摂取した場合、お互いを邪魔をしてしまいます。また、ビタミンAは短期間で多く摂取した場合めまいを引き起こしたり、長期的に過剰摂取を続けた場合は肝機能、中枢神経、皮膚や骨に影響を及ぼすとされています。
妊娠中に飲んで良いもの、悪いもの

妊娠中はいつも以上に健康が気になるところです。妊娠中にも飲める主なサプリは普段の食事で取っているようなビタミン、ミネラル類です。
ビタミンCやビタミンE、ビタミンKや亜鉛、マグネシウム、β-カロテン、DHAやEPAなどです。
また、妊娠初期におけるビタミンAの過剰摂取も胎児の成長に影響があるとされています。同じビタミンであっても注意が必要です。
妊娠中に良くないものとして報告されているハーブ類もあります。アロエ、サラシア、ダミアナ、モリンガ、フィーバーフューなどです。これらは子宮収縮などの作用があり、早産のリスクを高めてしまいます。
その他、女性ホルモンに似た作用を起こすものは摂取を避けるべきだとされています。イソフラボン、レッドクローバー、プエラリア、チェストツリーなどには女性ホルモンのような物質が含まれています。妊娠中も出産後もホルモンバランスは微妙なバランスを保ちながら変化しています。
サプリメントによって自然に保たれているホルモンバランスを邪魔しないよう摂取を避けるよう心掛けてください。
持病があっても飲んで良いサプリはありますか?

高血圧や糖尿病など、持病をお持ちの場合は一緒に摂取する食品によっては服薬中の薬に影響を与えてしまうものがあります。効果を弱めたり、逆に強めてしまったりなどもあるため、必ず医師にご相談ください。
健康食品は健康の維持、補助を目的としています。持病の治療や症状の改善を目的としてはご使用になれません。
カラダに合わないなと感じたら

健康のためにサプリを飲んで、反対に健康を損ねてしまっては元も子もありません。「いつもと違う」「サプリを飲み始めて具合が悪くなった気がする」という場合には、まずは使用を中止してください。
万が一異常を感じた場合は「飲んだサプリメントの種類」「飲んだ量や時間」などを控えて医師へご相談ください。
□飲んだ量は適切で過剰に摂取していないか
□飲み合わせの悪さが報告されていないか
□アレルギー体質では無いか
なども合わせて確認しておくと良いかもしれません。