健康食品とは

「健康食品」を利用する前に

ストレスの多い現代社会、高齢化が進む中で一人一人の健康に対する関心は高まっています。「生活習慣病が気になる」「年齢を重ねても自分の事は自分で出来るように」など、それぞれに健康について「気になる事」を抱えています。

健康で元気に毎日を過ごすためには、バランスのとれた食生活と適度な運動が良いと多くの人が知っています。しかし、バランスの良い食事や運動、この2つを習慣づけることは難しいと感じる方は多いのではないでしょうか。

近年ではスッキリと眠れないという悩みを抱えた方も増えています。良質な睡眠もまた健康の維持には欠かせないものです。慌ただしく毎日を過ごし、生活が乱れがちな方の健康を補う形で健康食品は利用されています。

一言で健康食品と言っても、実はいろいろなタイプに分けられている事をご存知でしょうか。健康食品を利用する前に、その分類や医薬品との違いなどを知って上手く生活に取り入れていただければと思います。

利用目的が異なる「健康食品」と「医薬品」

ドラッグストアでは医薬品の近くに健康食品が陳列されています。医薬品メーカーからサプリメントが販売されていたりなど、一般の方には医薬品と健康食品の違いが分かりづらいのではないでしょうか。この違いについては利用の目的や表示の仕方、含まれる成分などで知ることが出来ます。

健康食品や医薬品の効果効能については薬事法という法律で表示の仕方に制限が設けられています。保健的な効果を表示している健康食品には「特定保健用食品」「栄養機能食品」「機能性表示食品」の3つがあります。

健康食品は主に健康の維持や増進を目的として利用・販売されている食品に対してまとめて使われています。健康を保つという事が目的なので、既に患っている病気を治療したり、症状を改善するという目的には適していません。

これに対して医薬品は、医療機関を受診して医師などにより処方される「医療用医薬品」や、処方箋無しで購入する事が出来る「一般用医薬品」などがあります。
医薬品は病気の治療や症状の改善を目的として作られていて、自然由来以外の成分が含まれる事もあります。医薬品は成分内容や効果効能、副作用、用法容量について、その品質や安全性、有効性などが厳しく調査され、厚生労働大臣の承認を経て使用されています。

医薬品の目的は健康を損なってしまった事に対する直接の治療です。健康の維持や増進を目的とした健康食品と利用目的に違いがあります。

「特定保健用食品」とは

通称「トクホ」で知られている「特定保健用食品」。食用油やお茶などで聞き覚えのある言葉かもしれません。
健康食品の分類の一つである特定保健用食品ですが、その表示にはいくつかルールが存在しています。

表示をするためには消費者庁の審査を経る必要があります。また、以下のような審査基準があります。

1.効果効能に科学的な根拠がある
2.ヒトにおける有効性や安全性が評価されている
3.摂取量に目安がある

特定保健用食品と表示されている食品は、この3つの基準をクリアし、国の審査を経たものという事になります。

「栄養機能食品」とは

「健康食品」の中には栄養成分そのものの機能について表示する事が出来る「栄養機能食品」に該当するものがあります。これはビタミンやミネラルといったカラダの機能維持に欠かすことが出来ない成分などを商品情報の中に表示している食品です。

表示をして良い成分は定められていて、表示についても特定保健用食品のように「ヒトでの科学的根拠が認められ、推奨量が決まっている」など一定のルールが存在しています。特定保健用食品は食品そのものに対する効果を表示できます。これに対して栄養機能食品は栄養成分に対する効果を表示しています。栄養機能食品については表示をするための審査は不要になっています。

「機能性表示食品」とは

機能性表示食品は近年になり制度が出来たもので、保健効果を表示出来る食品の一つです。

機能性表示食品の摂取による安全性や機能性については事業者が評価を行い、消費者庁への届け出ているという特徴があります。特定保健用食品に対して機能性表示食品は、事業者の責任において効果を表示する事が出来るという点が異なります。